おいしい時間 【2016.08.16】

今も昔も…暑い夏はサラダが美味しい!

今も昔も…暑い夏はサラダが美味しい!

サラダが美味しい季節です。

夏バテ気味で食欲のない方でもあっさりしていて食べやすく、また調理に火を使わないことが多いのも今の時期にぴったりですね。

普段サラダを作る時は、あり合わせの野菜とドレッシングで適当に作るのですが、そうするといつも同じような感じになってしまうことが多いのです。

そこで今回は、昔のレシピを参考に、今食べても美味しいサラダを作ってみました!


1924年の雑誌『婦人の友』より。

昭和ではなく、なんと大正13年です。

様々なサラダの作り方が載っていますが、その中できゅうりのサラダを作ってみました。



「サラードコンコンブル」

「コンコンブル」とは、フランス語できゅうりの意味です。

薄く切ったきゅうりに、パセリ入りのドレッシングをかけたもの。

ドレッシングは今日の作り方と同じですが、パセリが加わって彩りと香りがよく、今でも参考にしたいアイディアです。

これが大正時代のレシピということにびっくり!

しかし当時は、パセリやサラダ油などが一般的ではなかった時代。

さらに作り方を見ると、「30分くらい冷蔵庫に入れる」との記載が‥

冷蔵庫(といっても氷冷蔵庫ですが)を持っている家はごくわずかだった当時のこと。

ごく一部の上流階級に向けられたレシピでしょうね。



そもそも生野菜を食べる習慣がなかった昔は、サラダといえばポテトサラダかマカロニサラダでした。

どちらも材料には火が通り、マヨネーズで和えたものですね。

昭和6年生まれの私の祖母も、子どものころ、母親がたまにポテトサラダを作ってくれたそうで、それがとても嬉しかったそうです。

当時のマヨネーズは瓶詰で、今よりもだいぶ高級品でした。

それを考えると、ポテトサラダは今の感覚よりもずっとごちそうだったのでしょう。

昭和初期は、主食といえばご飯の時代。

サラダはどちらかというとパン食に合うので、特に生野菜のサラダはあまり食べられませんでした。

しかし戦後の米不足の中で、パン食が一般的となり、それに沿うように、サラダのレシピも増えていきました。


昭和21(1946)年7月号『婦人倶楽部』より 「南瓜の落花生サラダ」

蒸したかぼちゃを使ったサラダ。

炒った落花生をすりつぶし、熱湯でのばし、塩で味をつけたものでかぼちゃを和えます。

かぼちゃサラダといえばマヨネーズを使いたいところですが、戦後間もない当時、マヨネーズは超高級品。

マヨネーズの原料であるサラダ油や卵も超高級品でしたので、手作りするにも材料が手に入りませんでした。

そこで、油や卵を使わない「代用マヨネーズ」なるものが登場しましたが、似ているのは見た目と食感だけで、マヨネーズとは全く異なるもの。

この料理は、そもそもサラダといえるか謎ではありますが、それを考えると、割と美味しい上に栄養価も高く、よく考えられているなぁとしみじみ思いました。


『装苑』1967年6月号より。

高度経済成長期における食生活の変化は大きかったといえど、半世紀近くも昔であることを考えると、とっても贅沢でオシャレなサラダです。

ファッション雑誌に掲載されたものなので、よりオシャレな雰囲気が好まれたからかもしれませんね。


その中でトマトカップサラダを作ってみました。

トマトは、皮を湯剥きにし、中身をくりぬいて水気を切っておきます。

そこへ、きゅうりとえびをマヨネーズで和えたものを詰めて完成。

オリジナルのレシピではオリーブをトッピングしていますが、手近にあるもので色々アレンジしても楽しそうです。


『婦人生活』1974年5月号より。

この頃になると、サラダはすっかり定番料理となりました。この特集では、そんな当たり前に作れるサラダだからこそ、ひと手間かけておいしく作れるレシピを紹介しています。

ポテトサラダのレシピをみると、

・じゃがいもは丸のまま茹で、水にさらした玉ねぎとともに酢で下味をつける。

・ゆで卵の白身はみじん切りにしてサラダに混ぜ、黄身は裏ごしして全体にかける

などとあり、これからも丁寧なレシピがうかがえます。

ちなみに当時、このような黄身を裏ごしするレシピは割と頻繁にみられました。手軽さと時短が求められる現代とは少し異なりますね。

このレシピではさらにラディッシュとクレソンで彩りを添えています。


昭和のレシピといえど、新しい発見がたくさんありました。

自由なアイディアで、美味しいサラダを作ってみてくださいね。

福田 裕子
和田 祐生子Yuuko Wada
コラム「おいしい時間」担当

<食文化研究家>
1988年、福井県生まれ。実践女子大学食生活科学科卒。
幼い頃から食への関心が高く、食品添加物など、食の安全性について学ぶ。
同時に、日本の世俗についても興味を持つ。大正~平成の婦人雑誌・および食専門雑誌を読む中、当時の決して豊かではない状況で精一杯の工夫がなされている食生活に感銘を受け、当時のレシピを再現するようになる。
現代の食生活が抱える問題を改善し、それを次世代に継承していくことの必要性を感じている。
食文化研究家として福井の情報誌に掲載。イカロス出版『まいにちお弁当日和』において
“昭和のお辨當”という記事を執筆した経歴を持つ。


[公式ブログ] http://syowabento.blog.fc2.com/

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