おいしい時間 【2017.09.12】

「うま味」ってなあに?

「うま味」ってなあに?

皆さんは、【うま味】という言葉をご存知でしょうか?

「うま味」は、基本の味覚【五味(ごみ)】の一つであり、英語でも【UMAMI】と表記されます。

うま味は、「おいしさ」を感じるための大切な味覚の一つです。

実は「おいしさ」は、味覚だけではなく、視覚、嗅覚、触覚などの五感や、環境や体調など多くの要因から得られるものなのです。



◆味覚と私たちのからだ

基本の味覚「五味(ごみ)」とは、甘味・酸味・塩味・苦味・うま味 のことです。

これら基本の五味を含む食材には、以下のようなものがあります。

基本味


舌にある乳頭の中の味蕾(みらい)には、味覚の受容体があり、味蕾で感じ取れらた信号が脳に送られます。脳は、どんなものが身体に取り入れたらたのかを感じます。


例えば、エネルギーの元である糖分を感じる【甘味】や、体液のバランスを取るためのミネラルを感じる【塩味】、たんぱく質の存在を感じる【うま味】は、生命を維持するために必要なものです。

【酸味】は酢やレモンなどに含まれる以外に、食物が未熟であることや、腐りをあらわすものもあり、【苦味】はゴーヤなどに含まれるアルカロイドやコーヒーに含まれるカフェインだけではなく、毒物かもしれないという危険性をあらわすものでもあります。これら「酸味」と「苦味」は体にとって有益ではないものである可能性があります。

すばらしいことに、人間の体は生きていく上で有益であるものを感じる以外に、危険なものを体の中に取り入れることを防ぐ機能が備わっているのですね。


「うま味」には、以下のような特徴があります。

・舌全体に広がる

・持続性がある

・唾液の分泌を促す


味蕾からの「うま味」の信号で、たんぱく質が身体に取り入れられたことを感じた脳は、食べ物を消化するために唾液や胃液を出す信号を身体に送るのです。



◆きっかけは湯豆腐


この「うま味」を発見したのは、3人の日本人の科学者でした。

1908年、旧帝国大学(現東京大学)の池田菊苗博士が、昆布に「グルタミン酸ナトリウム」があることを発見し、【うま味】と名付けました。

グルタミン酸自体は、1866年ドイツの化学者、リットハウゼンによって発見されていましたが、それが「うま味」であることに気が付いたのは池田博士でした。


池田博士は、水と昆布と豆腐を入れただけの湯豆腐が美味しくなっていることに関心を持ち、大量の昆布を購入して研究を重ね、昆布の中にグルタミン酸が含まれていることを発見したのです。

この昆布から発見されたグルタミン酸ナトリウムから「味の素」が製造さました。

池田博士は、のちに日本の十大発明家の一人に認定されています。

次いで、1913年、池田博士の弟子にあたる小玉新太郎さんが、かつお節に「イノシン酸」があることを発見。

ヤマサ醤油研究所の國中明博士が1957年に発見したものは、きのこ類に多く含まれる「グアニル酸」でした。


基本味は、長い間「甘味(かんみ)・塩味(えんみ)・酸味(さんみ)・苦味(くみ)」の4つですべての味は表現できると言われていました(へニングの4原味説)

しかし、2002年、舌の味蕾にうま味の受容体が発見されたことにより、第5の味覚「うま味」がようやく基本味の一つに認められたのです。

池田博士が昆布にグルタミン酸があることを発見してから、100年近く経ってからのことでした。


代表的なうま味成分であるアミノ酸系の「グルタミン酸」、核酸系の「イノシン酸」と「グアニル酸」、これらをそれぞれ合わせることによってうま味が増します。

例えば、お吸い物や茶わん蒸しなどによく使われるだしは、「グルタミン酸」の昆布だしと「イノシン酸」のかつお節のだしを合わせて作ります。

単独でも美味しいうま味は、それぞれを合わせることによって、更に強いうま味になるのです。

これを【うま味の相乗効果】といいます。

1+1=2ではなく、なんと7倍~8倍になるといわれています。

また、合わせることによって、昆布の磯臭さ、かつおの魚の匂いや燻した香りが、緩和されたりします。




代表的なうま味成分「グルタミン酸」は、昆布だけではなく、実は様々な食品に含まれています。

トマト、たまねぎ、グリーンピース、チーズなど、母乳や羊水にもグルタミン酸が含まれていることが分かっています。

「イノシン酸」は、かつお節や煮干しだけではなく、肉や魚介類にも多く含まれています。

そして、「グアニル酸」は乾しいたけ、乾燥モリーユ、乾燥ポルチーニ茸など乾燥したきのこ類に含まれています。


「うま味」を意識しながら、食品の組み合わせて料理を作っていくと、素材のおいしさををより引き出し、感じられる料理になります。

ぜひお料理の際に参考になさってくださいね。



資料提供 NPO法人うま味インフォメーションセンタ―

福田 裕子
水嶋 昭代Akiyo Mizushima
コラム「おいしい時間」担当

<だしソムリエ協会認定講師/野菜ソムリエプロ>
だしのことをよく知らなかったことから、3年前に「だしソムリエ」の資格を取得、平成28年2月北陸唯一の(社)だしソムリエ協会認定講師に認定、福井でだしソムリエ3級講座検定を開講、だしソムリエを育成すると共に、「だし文化」を広めるために、各地でだし講座を開講。昆布大使、ふくいの食育リーダー、調理師、ジャパンホームベーキングスクール講師としても活躍中。
自宅の蔵を改装した小さなパン屋さん「パン工房Ku」を週1回営業。少量多品種の野菜を自家栽培、自宅工房「Ku Kitchen」において、料理教室、パン教室をしている。
「まつのベジフルサポーター」として、福井の野菜や果物を全国に紹介している。http://www.matuno.co.jp/supporter.html 


[公式ブログ] https://ameblo.jp/sakuraku21/

« 記事一覧へもどる
過去の記事
メールマガジン登録 スタッフ紹介 スタッフブログ
「仕事に家庭にがんばる女性」を応援しています