おいしい時間 【2014.12.02】

酒粕をただの“カス”だと思っていませんか?

酒粕をただの“カス”だと思っていませんか?

ひと朝毎に気温が低くなってゆくのを感じ、お布団から出るのがだんだん億劫になってきました。

寒い季節は苦手な私ですが、この頃になると楽しみなことが。
 
続々と蔵元さんから新酒が届くにつれ、我が職場である酒屋の店内は、なんともいえない芳醇な香りに包まれます。
新酒を飲むのももちろん楽しみなのですが(笑)、その香りの正体は・・・お酒を絞ることで生まれる”酒粕”。
まさに今、新酒と共にやってくる各蔵自慢の元気な酒粕が、しっとりとした香りをいっぱいに満たしてくれています。
 
みなさんは”酒粕”というと何を連想しますか?
「おじぃちゃんがストーブの上で焼いてたー」 とか 「お母さんの粕汁」とか
魚やお肉、野菜の粕漬け?
一度も口にしたことのない人は福井では少ないと思いますが、「自分では使わない」人も多いのではないでしょうか。

本来、酒粕は発酵のすすんだ日本酒の”もろみ”を酒袋に入れて「ふね」という圧縮機でお酒を絞った後に残ったもの。
お酒を絞った後に残ったものなので、まぁ、”カス”といえるのかもしれませんが、そこには白米はもちろん麹、酵母菌がしっかり含まれていて、たくさんのうま味や栄養を蓄えています。
 
そして、美容の素も。

酒粕を”カス”と言ってしまうのは申し訳ないくらいなのです。


ストーブで炙って香りを楽しみながら食べるのも、またオツなものです(笑)

発酵によって生まれる、うま味と栄養の宝庫
古くは万葉集の和歌に読まれるくらい日本人がお酒を飲んできた歴史と共に、酒粕も貴重な食の糧でした。
ビタミン、ミネラル、タンパク質、食物繊維などをバランスよく含み、栄養価の高い酒粕。
美白効果の高いアルブチン、保湿を促すアミノ酸も含まれるなど、美容面でも優れているほか、腸内環境を整える効果も。
お通じが良くなるだけでなく、身も心も、健康的にキレイになる助けにもなります。


和・洋・中 頼もしい食卓の助っ人
健康面に加えて、酒粕のもう一つの魅力は料理をおいしく変化させること。
酵母が作用して食材のうまみを引き出し、深みのある味になるのです。



酒粕、というと和食だけだと思いがちですが、洋食、中華、エスニック、パンやお菓子など
幅広く使えます。
ホワイトソースも牛乳の代わりに酒粕を使ったり、カルボナーラも生クリームではなく、
酒粕で作ることができるんですよ!
あっさりとした味になりますが、コクがあるので物足りなさは感じないし、カロリーダウンにもつながります。

酒粕に調味料を加えて作る粕床に、魚や野菜などを漬け込めば粕漬けに。食材のうまみを高めつつ、長持ちさせてくれる伝統的な調理法。

そして、冬のイメージが強い酒粕ですが、殺菌効果に優れているため実は保存もきき、一年中活躍してくれます。

こんな使い方多様な酒粕の魅力を、この冬数回に分けてお伝えしていきたいと思います。
お楽しみに♡

福田 裕子
久保田 桐子Kiriko Kubota
コラム「おいしい時間」担当

<ふくい地産地消コーディネーター/野菜ソムリエ>
福井県立大学 経済学部卒業後、一般企業に就職するが、「食の大切さを伝えたい」との思いから退職。伝統郷土料理や地元生産者とのやり取りを学ぶ。
その後、カフェのキッチンシェフとして、開店立ち上げから飲食メニュー全般を手がける。地元食材を使っての商品開発や、ホテル、レストラン、飲食店へ福井の食材を使ったレシピを提案。『禅野菜そうす』や『海幸山幸せんべい』などを手がける。
2012年、創業100年になる鯖江の久保田酒店4代目と結婚。老舗酒店の若女将となる。
現在は野菜ソムリエ、フードコーディネータとして、執筆や講演も多数。

[公式ブログ] http://ameblo.jp/kiripaulownia/

« 記事一覧へもどる
過去の記事
メールマガジン登録 スタッフ紹介 スタッフブログ
「仕事に家庭にがんばる女性」を応援しています