GOKAN -五感- 【2016.03.04】

子育て中のお母さんへ

子育て中のお母さんへ

3月に入っても雪がふり、冬のような寒さが続いていますね。春のあたたかな陽射しが待ち遠しくなります。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。




冬の始まりが遅かった影響でしょうか、いまだにインフルエンザが流行中で学年閉鎖や学級閉鎖になった学校が相次ぎました。我が家も娘に続き夫が高熱を出したので、数日大変でした。
私は現在も医療者として病院に籍を置き、不規則シフトで勤務を続けています。偏に院長御夫妻やスタッフの理解と協力があって叶うこと。心から感謝しています。
経営者としての立場と雇用される立場との両方を続けていることは働き方としては珍しいようで驚かれることもありますが 私なりに意味があり、現場にいるからこそ学ぶことや得るものも多くあります。


この時期の病院はどこも忙しく、毎日様々な患者さんをお見受けします。自らが高熱の中ふらふらになりながら子供を抱えて来院するお母さん。辛くても子供を預けたり見てもらうことができず、やっとの思いで病院にたどり着いたのでしょう。病状によって点滴をしたりお薬を処方したりしてご自宅に帰っていくのを見送るのですが、いつも心が痛みます。
お夕食や明日以降の食事は誰が作るのかな?ちゃんと家で休めるのかな?誰か手助けしたり支えてくれる人は近くにいるのかな?そんなふうについ心配したり思いを馳せたり。子供が病気になって学校を休まなければいけない間、仕事はどうしようと途方に暮れるお母さんもいらっしゃいます。休むことで職場の人達に迷惑をかける心苦しさや肩身の狭さ、病気で辛そうな子供の様子との狭間で心が張り裂けそうになる。仕事ではなくても、友人との約束や、意を決して申し込みをしてこの日のために段取りして楽しみにしてきた講座やワークショップを急にキャンセルしなければならなくなって泣きたくなる日のこと、御経験ありませんか。




病気のときばかりではありません。仕事と家事・育児をしているとあっという間に夜になり知らぬ間にうたた寝をしてしまい疲れが取れぬまま朝を迎えている。子供に本を読みながら寝かしつけていたはずなのに子供より先に眠ってしまうことも。そういえばのんびり湯船につかったのっていつだろう、子供をお風呂に入れることに精一杯で自分は簡単にシャワーを浴びてすませることもしばしば。ゆっくり食事を味わったのもゆっくり本を読んだり映画を観たり、気のおけない友人やひとりでふらりと旅行に出かけた時間はもういつが最後だったか思い出すのも難しい。昔は自分のスケジュールを確認すれば出来ていたことも、今は家族や子供の予定をまず考えてみて、諦めることのほうが多くなった。つい余裕がなくて子供に感情をぶつけてしまった後で悔いばかりが心を占領したり、片付けても片付けても自分の現状と連動するかのような散らかった部屋に途方に暮れることもある。自分のことを振り返る暇がなくてふと焦燥感を感じたり、このままじゃいけないとは思うけれど、やりたいことを思い描いてみても周りのことや環境のことを考えて消去法で考えてばかりいる。消去法で残ったものは果たしてほんとうに望んでいることなのかやりたいことなのかわからなくなってしまう。きらきら幸せそうに見える友人や、SNSで垣間みる華やかで素敵な人々の様子に憧れを抱くと同時に 自分のちっぽけさにため息が出ることもある。
決して不幸せなわけじゃない。ちゃんと幸せだと思える時間もある。
でもふと私らしさってなんだっけ?と考えて疲れや悲しみを感じてしまうこともある。
そんな母さんたちのため息をサロンや病院で1つ1つ拾い上げ、耳を傾け、可能なかぎり寄り添いたいと私はいつも思うのです。みんな毎日毎日贅沢三昧生きたいわけでも夢のような暮らしに明け暮れたいわけでもない。今の日常に「いい感じ!」ってにっこり笑うことができて、この瞬間の自分を認めてあげられるような心や時間のゆとりが得られたらいいなと、ささやかに思っているだけ。でもそれが案外難しいんですよね。




私も娘が小さい頃は夜勤のある病院で3交代勤務をしていました。生後8ヶ月の娘を保育園に預けて職場復帰した日は仕事に向かう車の中でぽろぽろと涙が出ました。高熱を出した娘を他の病院の病児向け託児施設に預けた日は一体何のために仕事してるのかわからなくなりました。雪でお迎えが間に合わず、一人ぼっちで保育園で待っている娘に何度も謝りながら 娘とふたりで泣いてしまったことも。抱っこしてよ、遊んでよ、お話してよと私のもとにやってくる娘と家事との間で途方に暮れた日もたくさんありました。今はもう中学生になって友人との時間や自分の時間を多く持つようになった娘の背中を見ながら、家事なんか後回しにしてあの時しか味わえなかった子供との時間をちゃんと噛みしめておけばよかったと気付かされることが多くあります。子供が幼いとき、育児がまるで出口の見えない長い長いトンネルにいるかのような感覚に陥ることがあります。
そんな気持ちになったときは義母のこんな言葉を思い出すようにしています。
「それぞれの子供がこの世に持ってくる"親にかける迷惑の量"はみんな同じなのよ。それを小さい時に使い果たすか大きくなるまで持ち越すかの違いなの。小さいときにかける迷惑は、親が請け負えるくらいの程度で済むけれど大人になって持ち越す迷惑は親の請け負う範疇を超えて人様にも迷惑をかけることになる。だから小さいときに子育てに苦労しておくといいのよ。そうしたらきっと持って生まれた迷惑分をすべて使い果たして、すくすくと成長していくからね」。
夜泣きで辛かったときも病弱で大変だった日々も、駄々をこねて手に負えない時期も、この言葉を思い出すと「迷惑を使い果たしてくれてる!」と思えてなんだか気が楽になったものです。それは大きくなった今でも同じ。「今はまだ親が請け負える。娘が大人になって自立する時までにもっともっと親をたくさん困らせて使い果たしてね」と育児に悩むたびに前向きな気持ちになります。

それからこの本もおすすめです。

               

「原始式教育入門 まめおやじ」

 作者: 友沢 ミミヨ
 発売日: 2005/6
 メディア: 単行本


読むとふっと力が抜けて、しんどいときもポジティブな視点に切り替えてくれる4コマ仕立ての漫画です。出産祝いにプレゼントすると、数ヶ月もしくは数年後に この本に何度か救われたことか...なんて連絡が来ることもありました。




映画『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』

そして、3/5から全国ロードショー(福井はまだのよう)で話題の94歳のカリスマ ファッション ・アイコン、アイリス・アプフェルの言葉を私はいつも思い出します。
『ルックス(外見)は個性を反映するもの。パーソナリティがない人はルックスにそれが出てしまう』
子育ての苦労も苦悩も立ち止まったことも後悔したことも、それをひとつひとつ乗り越えていく過程が自分のパーソナリティを確立する糧になり、あなた自身にしかない魅力としてルックスに現れるはずです。


いつかふと、春の穏やかで美しい陽射しのように、皆様の暮らしや人生が照らされていると感じることができる日々が訪れますように。

道廣 喜子Kiko Michihiro
「GOKAN」担当

<Salon LAKSHMI(サロン ラクシュミー)代表/料理家・美容家>
公的機関の医療者として精神科とNST分野に携わりながら、インファント(乳幼児)マッサージや世界各国の美容技術、アロマテラピー、美容食学、薬膳インストラクターといった美容と食にまつわる国際ライセンスを多数取得。
様々な知識を軸にサロン・スクールを立ち上げ独立する。
『生まれてから死を迎えるまで、医・美・食の調和がとれたサービスと知識の提供』をコンセプトに 広い世代に向けた香育・食育・触育の講演活動、専門学校にて解剖生理学・栄養学講師をつとめる。飲食店やイベントにおけるフードスタイリングやディレクション、空間デザインをてがけるほか、メディアにてレシピ提供やコラムの執筆もおこなう。
不定期開催されるワークショップは即時満席となる人気の企画となっている

[公式ブログ] http://ameblo.jp/lakshmi-aroma/?frm_id=v.jpameblo
[ホームページ] https://kikokitchen.amebaownd.com/

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