GOKAN -五感- 【2016.04.02】

日常にあるあたりまえを大切に、小さな変化を楽しんでみる

日常にあるあたりまえを大切に、小さな変化を楽しんでみる

前回のコラム「子育て中のお母さんへ」について、共感の言葉や励まされましたといった感想をたくさんの読者の方々からいただきました。
育児の悩みは尽きません。
孤独といかに上手に付き合うか ものの見方をやわらかくできるかの発想力が大切であることは我が身を振り返ってみてもわかってはいるのですが、これが実際一番難しい。助けになるのは、1人でも悩みに共感してくれて目を向けてくれる場所や人の存在だと思っているので、なにか小さな小さな「ひと呼吸」のような存在にこのコラムがなれたとしたら、これ以上幸せなことはありません。



この悩みに通じるかもしれません。
先日ふくい産業支援センター主催、県内4地域・全8回の日程で開催し、これまで延べ180名が参加した、創業に興味のある女性や新しいことにチャレンジしたい女性を対象にした創業セミナー&交流イベン「Meet Up☆スクエア」拡大版でアドバイザーをさせていただきました。参加してくださったお客様から「仕事と家庭、自分の時間、どんな風にバランスをとっていますか?」という質問が投げかけられたことが印象的でした。




その他の講演会場でもこの御質問をいただく機会が多いことから、皆さんワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の均衡調和)に苦慮しているからこその問いなのだと感じています。私もこのことについて長きに渡って挫折と葛藤を繰り返し、近頃子供の成長に伴いようやく光明が見えてきたかなという段階なので、まだ明確な答えを提示することはできませんが、「バランス」をとるのではなく「インテグレーション(統合)」を心がけようと意識を切り替えたことは自分の中の良き変化の過程で大切な要素になったと思います。
ワーク・ライフ・バランスではなく「ワーク・ライフ・インテグレーション」へ。
ワーク・ライフ・インテグレーションとは、「仕事と生活の統合」という文字通りの言葉でワーク・ライフ・バランスを一歩進めた発想と言われています。




「自らの人生観を軸に、ワーク(職業生活)とライフ(個人生活)を柔軟、かつ高い次元で統合し、双方の充実を求めること。それによって、生産性や成長拡大を実現するとともに生活の質を高め、充実感と幸福感を得るなど相乗効果を目指す働き方をいいます。仕事と生活を対立的にとらえて、その量的バランスの調整・回復を目指す、従来の「ワーク・ライフ・バランス」の発想を一歩進めたものと考えられます。—コトバンクより


女性のライフスタイルは仕事も家事も育児も個の人生も境界線が曖昧で、どれも明確に切り離して考えていくのは困難だなと感じる場面に遭遇します。私はこの境界線の曖昧さを逆手に取って、暮らしそのものを仕事に活かすという流れで小さなサロンをはじめ、徐々に仕事の分野を広げてきました。普段の暮らしの中でも一生活者の目線を大切に仕事のアイディアを構築していますし、仕事を通して意識や知識を磨き、日々の暮らしに還元していこうと努めています。そうすることで見えてくる社会の動きは時にドラマティックで飽きることがありません。そうとらえてみると、悩ましいこともいろいろあるけど終わってみれば なんだか楽しい毎日だなという感覚で日々が過ぎているわけです。



先月、創業100年を超えるに鯖江の老舗酒店の女将 久保田桐子さんとコラボして「酒粕ことはじめ」というワークショップをしたのですが、まさに日々の暮らしの中にある、素朴だけど実は贅沢な素材にフォーカスした時間です。
告知してから即時満席になったことからも皆さんの関心の高さがうかがえます。
(ご参加叶わなかった方のために酒粕について参考になるコラムもご紹介。)
酒粕をただの"カス"だと思っていませんか?
酒粕活用法 vol.1 酒粕+αで簡単鍋だしも!お手軽レシピ
酒粕活用法 vol.2 炊飯器にポトン。で、酒粕入り炊き込みご飯
薬膳の話し、してみましょうか。~春編~





地元福井の酒粕に合わせて、おもてなしの器からも地元の良さを感じていただこうと山久漆工さん御協力のもと、食空間プロデューサーとして活躍する丸山洋子さんと共同開発した新作「SHAKU-YAKU(芍薬)」シリーズのサロン向け漆器リースシステムを使いテーブルコーディネートをしました。



コーディネートの中には私が特に気に入っている、国産ケヤキ材を熟練のろくろ技術によりワイングラスの脚の形に削り出して越前塗りを施し、九谷和ガラスの特殊技術でガラスを溶接したJAPAN Glassも使用。このグラスはパリでも高評価をうけた新時代の漆器です。(JAPAN Glassはリース対象外です)



骨董・美術品、時に宝石の世界には「目垢がつく」という言葉がありまして、多くの人の目に触れることによって見慣れて感動を覚えなくなるといったニュアンスで使われる、好ましくない状態をあらわす言葉です。その逆は「初い」でしょうか。今まで市場や店頭に出たことがなく、ほとんど人目に触れていない品や将来品などを形容する言葉として使われたりします。



テーブルコーディネートにおいてもこの感覚があてはまるように感じます。何度も同じような設えをしていると飽きられ感動が薄まるもの。コーディネート仕事においては飽きを防ぐ意味で器のリースのサービスを利用したり、常にアンテナをはって作家さんの新作から骨董、伝統工芸に至るまで目を肥やす努力は欠かせません。
また花や景色など季節の移り変わりをほんの少し先取りして取り入れたり、逆に名残惜しむように残してみたり。道具や器本来の使い方を学び熟慮しつつもそこに囚われるのではなく、視点を変えて本来の用途を変えて組み合わせて表現することで目先が変わり思いがけない感動に繋がります。



日常の暮らしや人生の豊かさも、もしかしたらテーブルの上という限られた空間を彩ることと実はよく似ているのかもしれません。
あなたの日常が少し変化に乏しくて満たされていないと感じるのなら、テーブルに1輪の季節の花を飾ってみてはいかがでしょう。
小さな箸置きに季節をうつしてみたり、気に入った布をそっと1枚テーブルにかけてみる。仲の良いお友達と数日だけ器を貸し借りして いつもと違う雰囲気でテーブルを彩ってみるのもいいでしょう。そんな自分にしかわからないほどの小さな小さな変化の積み重ねが、後の大きな良き変化への入口だったりすることも案外あるかもしれません。

道廣 喜子Kiko Michihiro
「GOKAN」担当

<Salon LAKSHMI(サロン ラクシュミー)代表/料理家・美容家>
公的機関の医療者として精神科とNST分野に携わりながら、インファント(乳幼児)マッサージや世界各国の美容技術、アロマテラピー、美容食学、薬膳インストラクターといった美容と食にまつわる国際ライセンスを多数取得。
様々な知識を軸にサロン・スクールを立ち上げ独立する。
『生まれてから死を迎えるまで、医・美・食の調和がとれたサービスと知識の提供』をコンセプトに 広い世代に向けた香育・食育・触育の講演活動、専門学校にて解剖生理学・栄養学講師をつとめる。飲食店やイベントにおけるフードスタイリングやディレクション、空間デザインをてがけるほか、メディアにてレシピ提供やコラムの執筆もおこなう。
不定期開催されるワークショップは即時満席となる人気の企画となっている

[公式ブログ] http://ameblo.jp/lakshmi-aroma/?frm_id=v.jpameblo
[ホームページ] https://kikokitchen.amebaownd.com/

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