マイライフ 【2017.02.16】

工芸の世界~革細工作家・前川広美さんインタビュー

工芸の世界~革細工作家・前川広美さんインタビュー

今月の作家さんインタビューは、前回インタビューさせていただいた川森加奈さんの妹さんで、

とってもチャーミングな革細工を制作されている前川広美さんです。

私は七宝焼き作家で、七宝焼きは工芸部門に分類されますが、も工芸部門です。

今回は、革細工作家さんである前川さんにいろいろインタビューさせていただきました。


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★革細工をはじめたきっかけは何だったのですか?

元々は看護師をしていたのですが、病気を患い退職。その後、自宅療法をしていた時に、子供の頃から好きだった物作りをまたやりたくなって、編み物、布小物、カバン作りなどを始めたんです。ですが、なぜか作っても作っても達成感が少なく、他に何か楽しいものはないかと探している時に出会ったのが、革だったんです。本屋に行ったり、ネットで調べたり、革の世界を知れば知るほど、革や道具の魅力にはまっていきました。




★それはいつ頃ですか?

革で物を作ることが出来るのを知り、始めたのは8年程前になります。


★制作している時に、込めている想いはありますか?

フルオーダーでの制作の時には、使っていただいているシーンを思い浮かべながら作ります。ご依頼のお品は、その方の形にして欲しいという想いがあっての事。その想いはその方の使っているシーンに繋がりやすく、完成に近づく程に私も嬉しくなります。お客様の中には、「作品と一緒に寝ています」とか「お守りにします」などとおっしゃって下さる方もいて、お作りして良かったなと思いますね。


★革というとハードなイメージがありますが、女性らしい作品が多いですね。

革の魅力を女性の方にもお伝えしたく、女性が革の魅力を感じて頂けるよう 愛らしいデザインを心がけて制作しています。

 


★制作過程を教えてもらえますか?

まず、デザインを考え、金具や仕様を決め、型紙を起こします。革を切り出し、床面(革の裏側)の処理、革が重なる部分を薄くするために漉く(すく)という作業をします。金具やファスナーなど、パーツをとりつけます。縫う部分を接着し、菱目打ちという道具で、縫い目となる穴を開けます。特殊な縫い方で縫い合わせ、コバ(革のヘリ)を磨きます。

大体の過程はこの様な感じですが、必要に応じてオイルや表面の加工をしたり、補強が必要な時にはテープを施したりすることもあります。革の作品は、制作過程が長く、工程が多いのも特徴ですが、その分出来上がりの感動はひとしおです。

 

★革細工を通じて伝えたいことはありますか?

使うその方、その方によって革は変化していきます。毎日使って日に当たればエイジングは早く進み、毎日使うコインケースは、持ち方で艶が出る場所が違ったりします。その方の革になっていくんですね。革の香りが癒やしだとおっしゃる方もいらっしゃいます。自然なものから出来た革の楽しみ方は、物が色々作れるというだけでなく 使っていく過程にもあるんだとお伝えしたいですね。

またワークショップをイベントや出張にてさせていただいていますが、何かを創造するという事で得られる感動や充実感、すばらしさ、集中する事の大切さが少しでも伝わればと思います。

自分で選択し制作するという、小さいけれど自己決定がなされます。大袈裟ですが、実は人生もこの繰り返しではないのかなと思うのです。

一つの作品が出来上がった時にあなたの色が出ていたら、その作品は素晴らしいものに間違いないですね。



★今後の活動は?

現在、革にトールペイント技法で、動物を描いた作品を出しています。こちらも少し幅を広げていけたらと思っています。革についてはまだまだ奥が深いので、まだ作成した事のない作品なども挑戦したり、興味のある物と組み合わせたりして 私らしい作品を作り上げていきたいです。

 

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いろんなイベントに出店されていて、たくさんの方に革の魅力を伝えている前川さんは、とってもチャーミングで素敵な方でした。

使う方のことを考えて制作されている前川さんの想いが、手になじみ使い勝手が良い作品を生み出しているのだなと実感しました。

私も前川さんのワークショップに参加させていただき、バッグチャームを作らせていただきました。

ひとつひとつの工程を丁寧に教えていただき、ロゴ名を入れたお気に入りのバックチャームが完成しました。




【前川さんプロフィール】


作家名:前川広美

連作先:【https://laceleathersweet.jimdo.com/】のお問い合わせからお願いします。

福田 裕子
山村 倫代Michiyo Yamamura
コラム「マイライフ」担当

<七宝工房 宙(sora) 七宝焼き(しっぽうやき)作家>
自身が30才の頃、生きる気力を失い落ち込んでいた時期があり、その時『ふくい工芸舎』さんで展示してあった七宝焼きの指輪に出逢い心惹かれる。七宝焼きに触れていくうちに、七宝焼きの色の変化していく様子に感動し、心が救われたという経験をもつ。
大きな作品には、どこかしらにハートのモチーフを入れ、以前の自分と同じようにつらい思いを持つ人を救えたら…という想いを込めて作品作りをしている。
もっと多くの方に七宝焼きに触れていただきたく、県内外のイベントやワークショップ、展示会にて作家活動中。
日本現代工芸美術展入選・福井県美展知事賞など受賞という実績を持つ。


[公式ブログ] http://ameblo.jp/sippo-kobo-sora/

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