ふくいステキ女史 【2015.01.20】

社会福祉法人 藤島園/森下 由美さん

社会福祉法人 藤島園/森下 由美さん

【施設も家庭も元気にしていきたいです!】

松本:森下さん、よろしくお願いします。
まずは、森下さんのお仕事の内容から教えていただけますか?
森下:はい。社会福祉法人 藤島会は、地域に密着した高齢者総合福祉サービスを目指し、ケアハウスやデイサービス、訪問介護サービスなど13事業を展開しています。私はその中の「特別養護老人ホーム藤島園」で生活相談員をしています。

松本:大きな介護施設さんですね。森下さんの「生活相談員」というお仕事は、具体的にはどんなお仕事なのでしょうか。
森下:
ご利用者様(高齢者の方々)の入所・退所のご相談を受けたり、そのご家族様への日常のご連絡をさせていただいたりします。また、介護実習の方々の受け入れや、新卒職員の採用にも携わっています。最近は、社員の育成に係る研修や勉強会の企画も担当しています。



松本:幅が広いですね。「相談員」として相談を受けるのは、ご利用者やご家族からだけですか。
森下:
施設の職員の相談も受けています。お仕事をする上で悩んだり、躓いたりした時、時間を取って話しを聴きます。

松本:職員さんのメンタルケアですね。具体的にはどんな相談があるのですか。
森下:
職場内の人間関係や責任の重さなどが多いです。職員から直接話しを聴いてほしいと言われることもありますが、最近モチベーションが下がった他の職員を心配して相談を持ち掛けるケースも多いです。

松本:他の職員の様子を気に掛けて・・・というのは、理想的な職場ですね。他の職員さんの悩みを「聴く」にあたり、心掛けていらっしゃることはありますか?
森下:正直、とても難しいと感じています。しかし、①相手の話しをしっかり「聴く」こと、②相手の気持ちに共感すること、③私たちも一緒にサポートしていくことをしっかり伝えること、この3点に気を付けています。

松本:なるほど。「聴く」ということは、実はとても難しいんですよね。森下さんは入社以来、ずっとこのお仕事なんですか。
森下:いいえ、そうではありません。藤島園には短大を卒業後、新卒で入社しました。最初は介護職員として介護現場にいたんです。相談員としては約10年になります。



松本:介護現場にもいらしたんですね。介護のお仕事で大変だったことはありませんか。

森下:認知症の方々と初めて接した時、その対応に困惑しました。もちろん、知識としては持っていたのですが、やはり介護現場はテキスト通りにはいきませんから・・・。


松本:具体的にどんなご苦労があったのか、教えていただけますか?

森下:はい。あるご利用者様が、何度もエレベーターに乗りたがっていたんです。私たちは安全のため、エレベーターに乗ろうとするのをお止めしていたんですが、急に怒り出され、髪を引っ張られたり引っかかれたりしました。

最初は何故そんなことをされるのかと、辛くて悲しくて、自分はこの仕事に向いていないのではないかと悩みました。しかし、このような経験を重ねていくうちに、そのご利用者様のお気持ちが見えてきたんです。


松本:ご利用者様のお気持ちですか?

森下:はい。認知症を患われたとはいえ、ご利用者様にもお気持ちはあると思うんですね。今回も、何かの思いがあって、「エレベーターに乗ろう」とされたと思うんです。しかし安全のためとはいえ、その行動を止められ、お怒りになられたんでしょうね。

自分がご利用者様だったら・・・と考え行動すること、ご利用者様にしっかり寄り添うことを学んだ出来事でした。


松本:大変なお仕事ですね。こうした経験が、今の「相談員」のお仕事に生きていているのでしょうね。

森下:はい。そう感じています。やりがいがあり、毎日楽しいです。



松本:森下さんの家族構成を伺えますか?
森下:
夫と5歳の長男、3歳の長女の4人暮らしです。実家の近くに住んでいるので、子どもが熱を出した時や上の子の保育園のお迎えなど、両親の応援は貰っています。下の娘は、今、敷地内の託児所に預けています。

松本:施設内に託児所があるんですか?
森下:
そうなんです。5年ほど前に出来ました。施設に在籍する職員の子どもさんであれば、無料で利用できます。私も下の子が6か月から預け、職場復帰しました。日曜日以外は開いているので、土曜日は兄妹二人預けることもあります。
普段は10人弱ぐらいですが、週末は在園児も来るので15人ほどになり、まるで保育園のようですよ。

松本:職場のすぐ横で安心ですね。
森下:
復帰直後は授乳に通っていました(笑)昼食には、施設のお年寄りの方々のメニューに準じたものが出ますし、ご利用者様との交流もあります。お部屋も3つあるので、お昼寝の子も遊びたい子も気兼ねなくのびのび過ごしているようです。お天気が良い日は小さなお庭に出たり、近くの公園にお散歩に行ったり、クリスマス会の時には、施設の職員がサンタさんに扮してプレゼントを配ってくれたり・・・。子どもも毎日張り切って通っています。

松本:ありがたいですよね。
森下:
ほんと、感謝しています。お蔭で出産を機に退職する職員が減りました。安心して出産できますからね。



松本:職員の皆さんが大事にされていると感じます。森下さんの、今後のお仕事への夢をお聞きしたいのですが・・・。

森下:藤島園が地域から選ばれる施設になるよう努力していきたいです。そのためには、スタッフを育てていくことが必要だと考えています。個々の職員の育成のために一役を担えたらと思っています。そして、藤島園の「かんばん娘」として、もっともっと施設を明るく元気にしていきたいです。


松本:森下さんのお仕事への情熱を感じる力強い一言ですね。最後に、福井の働く女性の皆さんにメッセージをお願いします。

森下:「相談員の元気な施設は、施設が元気!」と言われます。同じように、「お母さん(女性)の元気な家庭は、家庭が元気!」だと思っています。毎日大忙しですが、明るく元気に、お互いに頑張りましょうね!

 

 

<インタビュー後記>

いつもニコニコ笑顔の森下さん。お年寄りの皆さんやそのご家族はもちろん、職員からも愛される存在なのだと感じます。癒される優しさの持ち主でした。

森下さん、ありがとうございました。

alicaスタッフ一同、今後のご活躍を心よりお祈りいたしております。


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  <インタビュアー:松本 昌代>

株式会社ドリームワークス 研修講師兼アドバイザー
長野県松本市出身、同志社大学文学部卒。
大学卒業後、学校法人河合塾に入社。8年間で延べ1,500人を超える受験生の進路指導をする。同時に新規事業の立ち上げ、市場調査、職員の採用や育成にも携わる。
その後、お客様サービスセンターを運営する大手企業に入社。社会保険労務士・産業カウンセラーの資格を取得し、総勢200名のスタッフの労務管理を実施。スタッフの定着化に大きく貢献。
結婚・出産を機に退職し家庭に専念。2013年株式会社ドリームワークスに入社。研修講師兼アドバイザーとして活躍中。


<写真撮影:杉下 美智代>

プログラマー、事務職を経験。1998年出産を機に退職。以降15年間、IT会社を経営する夫のサポートをしつつ、家事に専念する。
2013年株式会社ドリームワークスに入社。働く女性応援情報サイトalica(アリカ)の運営担当に抜擢。コラム「マイライフ」の執筆のほか、ふくいステキ女史のインタビュアーやカメラマンなど、運営管理を一手に任されている。

Photo
森下 由美Yumi Morishita
生活相談員

短大を卒業後、社会福祉法人 藤島会に入社。介護職員を経て、10年ほど前から特別養護老人ホーム藤島園の生活相談員として勤務。
ご利用者の入所・退所のご相談や、ご家族との連絡はもちろん、職員育成の研修や勉強会の企画なども手掛ける。また、職員のメンタルケアも積極的に行っている。

[ホームページ] http://www.fujishimaen.or.jp/

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