ボディ&ヘルス 【2018.02.20】

自分の美点を見つけるシンプルな方法

自分の美点を見つけるシンプルな方法

「自然にそった美しい生き方を目指すとき、健康が”おまけ”でついてくる」

これは、私が10年以上介護予防の分野で働きながら、どうすれば皆がずっと健康でいられるか、健康寿命を伸ばせるかを考えた、今の時点での結論です。さらに言うなら、健康とは回復力を信じられること。


体の欲するところに従えば、自然が人生をより善い方へと導いてくれるはずなのですが、たいてい多くの人は今までの習慣にしばられて、悪い習慣からなかなか離れることができずにいます。


鴨長明が800年前にこんなことを言っています。

 身、心の苦しみを知れれば、苦しむときは休めつ、まめなれば、使ふ。

 使ふとても、たびたび過ぐさず。もの憂しとても、心を動かすことなし。

 常に歩き常に働くは養生なるべし。なんぞ、いたづらに休み居らん

 (引用: 方丈記/角川ソフィア文庫/p137)


本書の訳によると、「体に関しては、心がその疲労の程度を把握しているので、働かせるといっても度を過ごすことはないし、体がだるくて怠けていてもイライラする必要はない、それは心が体を管理しているからだ」、といった内容なのですが、私が思うに、心が体を管理するためには「体がどのような状態にあるのかを心がキャッチできている」ことが、前提として必要なはずです。


また、体は心の状態をあらわす鏡のようなもの。体が心の状態を変えてくれることもありますから、「身、心の苦しみを知れば」の部分に関して言えば、「体が心の程度を把握している」と読んでもいいように思います。さて、はたして、鴨長明が生きた時代から800年後に生きる私たちは、体と心の対話が上手にできているのでしょうか。


悪い習慣は、古い型のようなものですから、私たちは、古い型を壊して脱ぎ捨てるように変化していかなくてはなりません。体と心の対話を損なうと、体に障害が残るような病気を引き起こす悪い生活習慣や環境から逃げる力すら奪われて、「どうしてこんなに辛いんだろう?」と、日々思いながら、知らぬ間に齢を重ねてしまうことでしょう。


変容と再生をもってして、古い型を壊していけば、素敵な美点が花ひらき、全身にエネルギーが満ちあふれ、人はもっといきいきとしてくるはずなのです。けれど、日々の出来事に注意をうばわれて、体との対話をする習慣がなく、せっかく持ちあわせている美点に気付いていない人がおられるのです。とても残念なことです。そこで、今回は、自分の美点を見つけるシンプルな方法を一つお伝えしようと思います。




それは、「いつもの道を外れてみること」です。


私の女友達にKさんという髪のとても美しい女性がいます。本当はお顔も美人なのに、そのことを本人は気づいていません。なぜか、認めたがらないのです。美点は当たり前すぎて、自分ではなかなか気が付かないものごとの中に潜んでいますから、ある程度はしかたのないことなのかもしれませんが。


2月の福井豪雪の時。Kさんは、毛染めをしたかったのですが、いつもの美容室に行くことが出来ませんでした。そこで、市販のもので自分で毛染めをしたところ、髪がゴワゴワと軋んでしまい、気分が落ち込んでいるというのです。


さて、彼女に何が起きたのでしょう。


それは、偶然ではありましたが「いつもの道を外れてみた」結果、いつもの美容室の薬剤がどれだけ自分の体にあっていたのかに気づくことができたのです。さらに、艶々と美しい髪が、知らぬ間に自分に元気を与えてくれていたことも分かりました。

いつもの道、つまり、いつものやり方を外れてみた。この経験がなければ、自分を力づけてくれてい「何か」に、気づきもしなかったでしょう。ここで改めてお伝えしたいのが、まずはちょっとだけでいいので「いつもの道を外れてみよう!」ということです。


いつものやり方、いつもの癖、いつもの習慣を、一つずつ試しに真逆のことをやってみる。それは、いまの自分を創り上げている要素を洗い出す仮説検証作業です。何かひとつの要素を変えてみたときに、気分や感情や人間関係など何かが変化するのだろうか、もしくは何も変わらないのだろうかと、試して確認していくのです。誰かが変化に気付いて、教えてくれることもありますし、すっかりあたりまえだと思っていた意外な美点に気づくことも出来るはずです。

見た目を変えたなら、「どうしちゃったの~?いつもと違うけど、今の方がいいね!」とか、「あなたのいいところはここなんだから、変えちゃダメ」とか、いろいろ言ってくれる人が出てくるでしょう。その時、自分がどんな基準で意見を受け止めるかが、もっとも重要です。そこに、自分のこだわりの在り処、つまり美学があるからです。


あとは、発見した美点を徹底的に磨けばいいだけ。美しい髪であるならば、素敵な彫刻のあるツゲの櫛で髪をとくのもいいですね。自分のお気に入りの素敵な部分を見つけて磨きあげることができたなら、今までコンプレックスを感じていたことにさえ、しっかりと向き合える心の強さを手にすることができます。


そして、いずれ自分の全身を受容れて、磨き上げることができたなら、体の欲するところ(つまり、感性)に従いさえすれば、自然が人生をより善い方へと導いてくれるようになります。そして10秒だけ、いつもと違う姿勢、いつもと違うポーズをとってみるのもおススメです。いつもと違う不思議なポーズは、脳に新鮮な情報を届け、体に沁みついた古い使いグセや、古い型を壊す手伝いをしてくれるでしょう。


「ああ、私はこういう自分でいることが一番心地いいんだ!」ということが身体感覚から理解できたなら、憑き物が落ちたような清々しさと、今まで経験したこともないような、最高の幸せを感じられるはずですよ。自然にそった美しい生き方を目指すとき、健康が”おまけ”でついてきます。

福田 裕子
福田 裕子Yuko Fukuda
コラム「ボディ&ヘルス」担当

<理学療法士。働くひとの健康支援 Soleil スタジオ ユウ代表> 
京都大学医療技術短期大学部理学療法学科・放送大学教養学部発達と教育専攻卒。
24年間でのべ7万人以上の中高年の介護予防運動やリハビリを指導。
2007年 フリーランスとなり介護予防事業に従事。リハビリにも使われる運動療法を運動が苦手な人むけにシンプルにアレンジした運動学習ドリル10秒ポーズを考案。
2014年 企業むけ研修を本格的に開始。腰痛予防体操などを通じ「自分のからだは自分で守る」自己管理意識を高め、企業の健康風土づくりを支援。「痛みが楽になる、体が軽くなる、温かくなる、指導がわかりやすい」と定評がある。高齢者リハビリテーションの経験から、齢をとるとみじめだという意識を変え「この体で生きてきてよかった」と人生最後の時に感謝できるような社会づくりを目指している。

[ホームページ] https://fukuda-yuko10.themedia.jp/

« 記事一覧へもどる
過去の記事
メールマガジン登録 スタッフ紹介 スタッフブログ
「仕事に家庭にがんばる女性」を応援しています